rabbitdiary

rabbit diary 2021~2023.5

2021~2023.5の肖战さんについてのメモです🍎

4/3《时尚先生Esquire》④/日本語訳

mp.weixin.qq.com

 

(辞書、自動翻訳、英訳をご参考にさせて頂いてメモしてみたものです。

たくさんの方が素晴らしい翻訳をシェアしてくださっています🙏

きっとXiao Zhan Japan Fanclub様も日本語訳を付けてくださると思います。

自分が理解するために拙いですがメモとして載せてみました🙇‍♀️

間違いや誤字脱字多いので薄目でご覧くださいませ💦)

 

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カバー人物|肖戦:亀裂

自己を理解し始めた 私は存在しない

自分がなりたいと思う人と他人が作った私という人との間の亀裂

あるいは半分の亀裂

生活もあるのだから…

これが私だ

以上…

灯を消し ドアを閉め

廊下のスリッパの音を遮断する

どうか部屋にひとりで居させて

自分自身の巨大な静けさと共にある

これはまやかしの宇宙だ

ー(ポルトガルの詩人)フェルナンド・ペソア

《私は自己を理解し始めた》

 

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「だいぶ前から2人の肖戦がいてそのうちの1人がここにいる。それが僕です。」

2月初め、重慶女山観光地で撮影の途中、肖戦は食事をしながら言った。

「もう1人の肖戦、引用符をつけた"肖戦"がいるけれど、彼はもう僕ではないかもしれない。

僕たちは彼のために仕事をしています。僕を含めて。」

肖战は箸を置いて手を開き、手のひらを向かい合わせた。まるで目に見えない小さな箱があるかのように。

以前からこうだーー多くの人と同じく特別なものは何もない。ただしっかりと仕事をしたいだけ。考えすぎることさえない。他に何をすべきかわからない。ただひとりでいるーー

肖战を語る際、彼自身あるいは周りにいる人々の疑問がひとつひとつ宙に浮き、この答えしか出てこなかった。

 

スターに対する人々の心理は矛盾しているかもしれない。

一方では、人々はラベルを貼った世界に慣れている。他人をたった数語で要約し、力を注ぐことはない。

他方では真実を追求しようとラベルを疑問視し、より身近な感情と人間性を探そうとする。

肖戦についてはこの矛盾が特に際立っている。

彼のラベルはとても少なく、誰も最も正確なものを見つけることができない。

それと同時に、近づくほど彼の人生はとても馴染みのあるものであることがわかる。

あまりにも馴染み深いからこそ、かえってそれが本当ではないかもしれないと疑う。

この矛盾は亀裂のようだ。

肖戦はこの亀裂の中で自分のすべきことをしている。

 

 

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1.山上の小屋

幼い頃、たいてい旧正月の前に肖戦は先祖を祭るために山を登った。

当時彼は重慶はとても広く、山々は遥か彼方に感じ、山を登るために遠くまで歩いていかなければならなかった。

朝起きてすぐに家から乗り換えの駅までバスで向かい、重慶の南部から江北に着き、川を越えてようやく山の入り口にたどり着いた。

90年代当時、その山道は泥道で舗装されておらず、村人たちが何年も往来して形成されていた。

道端には野草が生え、道は狭く、幅1メートル未満で車は通れない。

肖戦は足元が見えたり見えなかったり、時には山道がぼやけたりはっきり見えたりしたことを思い出した。

雨の日には道が滑りやすく、子供たちが前を走っていたことを覚えている。

子供たちはいつも先頭を急ぎ、大人たちが「道が違う、そっちじゃないよ、こっちだよ」と叫んでいた。

目印がなく、ナビゲーションもなく、肖戦と家族は記憶を頼りにその山道沿いの先祖の家を探すしかなかった。

それは茶色がかった黒い木の家だった。家は百年になるかもしれないが、かつて肖戦のおばあさんの父の代、あるいはおばあさんの祖先が住んでいた。

もちろん、今はもう誰も住んでいない。肖戦は古い家の中を歩き、1階に2つの寝室、2階にも小さな寝室があり、1階は2階に通じていて木の階段があったことを覚えている。

古い暖炉で薪を焚く。

家全体は木造で、家の外には小さな庭がありザクロの木があったようだ。


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これは大家族には欠かせないスケジュールだった。

山に着くとたくさんやることがあった。肖戦と(従兄弟の?)兄姉たちは野ねぎを採り、大根を抜いて、山菜を掘って、一緒に火をおこしてご飯を作ってみたこともあった。

遊び疲れると時にはひとりで過ごした。

山の後ろに丘があるのを見て、家族から離れてその丘の上に登って子供の探検を始めた。

丘の頂上に着くと周りには誰もいなかった。

彼は一人で静かにそこで過ごし、青黒い遠山を見ていた。

家族たちは往々にして山に一日滞在し、夕方になってから山を下りた。

「子どもは怖がらない。」今当時の自分を思い出し、「ただ大人になればそうでもない。」

ぼんやりと霞む遠くの山を見ると、本当に歩いて行きたくなったーー子どもに不可欠なのは勇気ーーどんなに困難な道でも手と足で登っていけると思っていた。

しかしその後中学、大学と年齢を重ねるにつれ、再度この山に来ても子どもの頃のように大胆に気ままに登ることができなくなった。

最近この山に行ったのは数年前だ。

今では新しく舗装されている。

高速道路は直接山のふもとまで通じている。

肖戦は家族と車で麓に来たが、山にはやはり両足で登らなければならない。

彼らは何年も歩いてきた道に向かった。

子供の頃、肖戦は大人の足が長くて歩くのがそんなに速いと思っていたが、今では重慶に滞在することがますます少なくなり、両親が年を取っていることに気づき、歩いていると動けなくなった。

彼と兄姉は荷物を持って、一歩一歩進み続けた。

記憶の中の疲れてしまうほど長い旅ーー竹林、墓など多くの場所を通過しなければならないーーそれが今回は時間が短く感じ、いつの間にかその古い家の前に着いた。

途中で振り返ってみると、子供の頃の大きな竹林は今ではとても小さく見えた。

恐怖の塊だと思っていた墓は3、4つほどしかなかった。

また小さな丘もある。子供の頃は、登るのに時間がかかったが、今は、軽く足を上げて一歩で登ることができる。

その記憶の中の険しい尾根については、今では勾配も緩やかになっているようだ。

泥道がなくなり、黒いアスファルトの山道が太陽の光の下で輝いていた。

山にはリゾートもできていて、展望台もたくさんある。


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山はあんなに遠くてあんなに高かったが、肖戦が今思うに、時間が経ち山はもう遠くなくそんなに高くもない。

当時彼は普通の重慶の子供だったが、今では多くの人が肖戦を知っている。

しかしひとつだけ変わっていないことがある。

それはこの山にはまだ名前がないことだ。


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2.夢の中の工場地区

今でも、肖戦は子供の頃に住んでいた場所の夢を見ることがある。

その当時は工場地区が彼のすべてだった。

工場地区はある自動車部品メーカーに属していた。

ーー団地1、団地2、団地3、団地4、団地5ーー

彼はもう自分がどこに住んでいたのか忘れてしまったが、その団地はどれもよく似ていて7、8階建てでパッとしない建物だった。

工場地区内には同じ年頃の遊び相手がたくさんいた。

宿題が終わると、全国の他の場所と同じように子供たちは階段を駆け下り、叫び声が飛び交い、空に響いた。

「○○ちゃん、早く降りてきて!○○ちゃんはもう降りてきたよ!」

夜8時や9時まで遊ぶと、母親たちも窓から頭を出して夜に遥か下に向かって叫んだ。「○○ちゃん、家に帰っておいで!○○ちゃん、もう寝なさい!」


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サッカー、かくれんぼ。草むらに隠れたり、暗がりに隠れたりした。

工場地区内で最も恐ろしい場所は廃棄された下水道で、穴が大きく、人と同じくらいの大きさで、中は黒々として何も見えなかった。

たまにコウモリが飛び出してきた。

肝っ玉の大きい子供はマッチに火をつけて中へ入った。

肖戦は入ろうとはしなかった。穴の中は暗すぎて、肖戦は遠くから彼らを見ていた。

子供は走れば転ぶので、かすり傷は日常茶飯事だ。

肖戦も膝に多くの傷跡を残している。今、子供の頃の傷跡を見ているとそれこそが本当の生活かもしれないと思う。

今はもっとまやかしで幻のようだ。

その時は携帯電話もインターネットもなく、当時の生活はすべての瞬間がまだここにあり、まるで写真を撮ったように記憶の中に留まって心に残っている。

肖戦は今でも、乱暴な遊びをするのではないかと心配して両親が時々彼を下に降りさせないようにしたことを覚えている。

彼は1人で部屋にいて窓から下を見ていた。

今でも当時見ていたものを覚えている。隣家のベランダ、バルコニーの植木鉢、洗濯物、階下の庭、庭の小径を思い出す。

すべてはっきりと覚えている。

小学校の3、4年生になると紙飛行機を作り5階から飛ばした。

遠くに飛んでいき隣の棟のベランダまで届いた。

工場地区内を走っている夢を見る。幼い頃走った場所にいる夢を。

夢の中では肖戦はそこにまだいるような気持ちになる。

夢の中での気持ちを覚えている。

自分はまだここに住んでいて遊び疲れて階段を登り家に帰り、部屋に行って眠りにつきたい…。


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当時肖戦の家は5階にあった。

階段を上がると、廊下は老朽化し多くの明かりが消えていた。

3階に行くたびに暗闇への恐怖から彼は深く息を吸って、「ポンポンポン」と4階に駆け上がった。4階は明かりがついていた。

今でも時々その暗い3階の廊下の夢を見る。

夢の中は真っ暗で何も見えず、隅に何があるか分からない。

ある時の夢をはっきりと覚えている。

すでに3階の暗闇を通り抜けて5階に来たが依然として明かりがない。

見慣れたドアに向かって夢の中の自分が手を伸ばし、なんとかドアを開けようとしたが開かず、拳を握ってドアをノックしたが、部屋には誰もいなかった。

どうしてもその扉を開けられず、ただ廊下に立ち尽くした。


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他の人と同じように、肖戦も試験の夢を見ることがある。

彼は毎回目を覚ます。

ある時は数学で先生が少し厳しかった。

実はその先生を大好きだったが、夢の中で先生は彼を見て、どうしたのか、どうして1つの問題もできないのかと言った。

彼は教科書の関数を見てバカだなと思い、「どうしてまだ関数を覚えているのだろう。問題に答えられなかった。終わった。」と。


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工場地区は世界のすべてでそれはほとんど果てしないほど広い。

工場地区を出るには事前に両親に報告しなければならない。

まるで出国するかのようだ。

当時百科事典を読んだ。1セットに4冊あり、その中の1冊は地球と宇宙についてで本には図があり、地球の断面図で、地表の下にはまだたくさんの層があった。

彼は地球は本来そうだったのかと思い、階下の庭に特別な大きな石があることを思い出した。

彼はその後仲間を呼んでその石の前に行き、「僕たちはそれをどけないと。下にはマグマがあってそれが地球の本当の姿だから。」と言った。

今思えば当時のこんな考えは幼稚でおかしいが、彼は考えてみて、やはり自分があの時どうしてそんなにあの石に執着して、地球の本来の姿に執着したのかわからなかった。

ただの石なのに。でも子供ながらにその背後の宇宙全体を見たいと思っていたのだ。


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3.山の都市

肖戦の記憶の中の重慶はとても古く、またとても新しい。

映画館では90年代、両親が彼を連れて『黄河絶恋』、『宝蓮灯』、『狂蛇の災』を見たことを覚えている。

解放碑に行く時には混み合ったバスに押し込められて大変だった。

たぶん誰もが席を取りたかったのだろう。

彼は具体的に何番のバスだったのか覚えていないーーおそらく3から始まる番号だったかもしれないないーー乗車後、人々は座席のことで言い合ったりけんかをしたりすることもあった。

そのバスはとてもにぎやかで、いつもこのようなことが起こった。

バスに立ち、肖戦は窓の外を見た。

バスは下城区の長い静寂で穏やかな道を通って、車窓の両側に少し古びた町の様子が現れた。

しかし、長江大橋を渡ると一気に明るく、現代的なモダンな都市に入った。

すでに都市部に入り、当時重慶にはすでに高層ビルが建てられ始めていた。

下城区については川沿いでは古い家が多かったが、今ではとっくに大部分が取り壊されている。

そのような都市の景色はとても魅力的で、肖戦は今思うにまるで自分が歴史の中にいるようで、立ち去り難い落ち着いた過去の中にいた。

しかし同時に見上げるとまた高層ビルのまぶしいガラスが見えて、まるで神秘的なものが自分を未来に連れて行くように感じた。

渝中区の大田湾スタジアムもある。サッカー人気がピークの時代。

重慶大会はその時全国で人気になった。父は彼を連れてサッカーの試合を見に行った。

重慶力帆(中国のサッカーチーム)、1997年、1998年、1999年、2000年ーー重慶チームの最高の数年でスタジアムはいつも何万人もの人でいっぱいで、みんな声をそろえて「重慶、がんばれ!」と叫んでいた。

肖戦はそれを理解するにはまだ幼かったが、スタジアムにあふれる人々を見てにぎやかだと感じた。


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それはまだ新聞を読む時代だった。子供の頃、肖戦の家ではずっと「重慶商報」を購読しており彼は新聞を読むのが好きだった。

たくさんページがあったがほとんどめくって読んでしまった。

それからまた数年経って成長し、地下鉄には無料の「重慶朝刊」があり、彼も習慣的に1部を取った。

普段はまず社会ニュースを見て最初から最後まで読んだ。

時には新聞が読み終わって地下鉄がまだ駅に着いていなければ、1面をめくって最初から最後までもう一度読んだ。

ペンフレンド時代でもあった。学校では先生は学生にペンフレンドを作ることを奨励していた。

作文を書く能力を鍛えるためかもしれない。彼にも1人いた。

お互いに手紙を交換し合い、気候のこと、重慶の陽の光や雨について語った。

しかし2回だけで終わってしまった。

でも手紙を待つ気持ちを覚えている。

手紙を出して1週間後、学校の受付で郵便受けをチェックした。

手を伸ばして箱を開け「肖戦」と書かれた手紙を分厚い束の中から探した。

 

時間はある流水のような秩序に従って前進する。

中学校。高等学校。大学。

大学受験時に芸術系志望を記入し、彼の点数は重慶の合格ラインを超えており、全国の他の大学を受験することもできた。

先生は肖戦に、本当に重慶を選ぶのか、北京や浙江に行ったり中国美術学院(?)に行ったりしてみないかと尋ねた。

彼は行きませんと言った。肖戦には重慶はいいところだとはっきりわかっていた。

彼は重慶が大好きだ。

俳優でなければそんなに多くの場所に行かなくても彼はずっとここにいたいと思ったかもしれない。

しかし彼は今でもすべてが未知であり、もし平行世界があってももう重慶にいないかもしれないと思っている。

意図的にいるのでも去るのでもなく、明確な目的地がなかった。

行かなければならない場所が彼にはなかった。

 


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すでに通勤路の名前を忘れてしまったが、友人の紹介で彼は履歴書を出して面接に合格した。

その設計会社は重慶の産業団地にあったが2階だったか3階だったか思い出せない。

中に入ると、持ち場がずらりと並んでいて会社は大きくはなく10人ぐらいだった。

朝9時に出勤し夜6時に退勤し、タイムカードを2回打つ。

彼は家を出てバスに乗って橋を渡った。

席があるときは座り、ないときは立っていた。

渋滞することもあれば渋滞しないこともあった。

出勤して会議をして、彼はほとんどの人と同じように座っていた。

社長から一番遠い位置に座っていた。

仕事は主にデザインを描いて作ることだった。

彼らはイヤホンをつけて歌を聴きながら絵を描いていた。

オフィス全体の雰囲気は暗く工業風で、エアコンは室内に埃を出していた。

曇りや雨の日には部屋の中はもっと暗くなった。

彼はタバコを吸わなかったがタバコを吸う同僚の近くに座っていた。

空気が少し煙っていることもあったが、どうでもいいと思っていた。

場合によって顧客が必要とするものが急であれば、徹夜で残業しなければならないこともあった。

朝、肖戦は少し頭が重いと感じながらオフィスを出て、コンビニエンスストアでどんなものでもいいと思いながら軽食を買った。


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退勤時に雨が降っていれば少し急いだ。肖戦は上り坂を歩いてバス停に向かった。

雨は道に沿って下へ流れ、それに逆らって歩くので何歩もたたないうちに靴は全部濡れてしまった。

ただでさえ疲れていて全身水にぬれてべとべとになっていたのに靴の中にまで水が入ってきて、イライラしながら立ってバスを待っていた。

退勤者が多いので、最初のバスは乗れないかもしれない。

そうなったら立ち続けて次のバスを待つ。

給料が出ると彼は一部を両親に渡して自分に少し残しておいた。

タバコも吸わず、お酒も飲まず、友達とカラオケに行くのがせいぜいで、ショップをぶらぶらすることはめったになかった。

季節が変わって服が足りなければようやく2枚買いに行きたいと思った。

この習慣はずっと維持されている。

何が欠けているのか、何を買うのか、あるいは直接買いに行くのか、決して最初にショップに行くことはない。


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4.顔と演技

今、起きてから肖戦は鏡の前に立つ。

鏡の中の彼は髪が乱れていて、時々顔が浮腫んでいる。

もしこの姿を見られたらどう思われるだろうか。

彼は自分のイメージに責任を負わなければならない。

芸能人として外見には気を払わないといけない。

彼はパンが好きだが炭水化物はむくみ、撮影でまぶたが腫れて一重になる。

それで欲望を抑える。

撮影中、串を食べるシーンがあるのであらかじめお腹をすかしておいた。

毎晩6時以降は水を飲まなくなったこともある。

ある時いつもの体重より10kgも減った。しかし彼は何も言うことはないと思っている。

ただ仕事のために必要だと思っている。

彼の顔は若く見える。会う人の多くが歳を聞いてきた。

わざと多めに言うのが好きで30過ぎですよ、と答える。

人々はこの人は20代前半の姿だ、と思う。

彼はありがとうと言うが若く見えるのも永遠に良いわけではない。

年齢に幅のある役を演じるには、若く見えることが役作りにとって障害となる。

ある時芝居の中で何人かの年上の俳優に会い、彼らの表情、顔の動きを観察した。

人の口元が年齢とともに少し下っていくことに気づいた。

彼も真似をしてわざと口角を下げた。

学ぶべきことには目つきもある。彼は物を見るのに集中して焦点を合わせた目で見ていたが、それは若者の目つきだ。

彼は再び年上の俳優を観察した。

彼らが人を見る時は目を細めて、焦点をわせず、気に留めず、一生懸命には見ない――彼は学び始めてから鏡の中の自分を見て、やっと少し似てきたようだ。

もちろん年齢感だけを求めているのではなくストーリーが必要なので、より完全に役を作りたいと思い、観客を惹きつけたいと思っている。


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彼がトレーニングを始め、意識的に筋肉をつけるようになったのは、2020年後半。

以前は規則的に走っていたが、ドラマでタフな人を演じるためにトレーニングを始め、この習慣は続いていて今に至っている。

今では、楽屋でも時間を見つけて効率的なトレーニングやランニングをしている。

しかし、常にかつてのイメージを壊すのではないかと心配する声がある。

髪を伸ばしたくないし、メイクをしているときも前髪を下ろしたくはない。

チームはいつも彼に「みんなの声を聞いて。その方がもっと素敵に見えるよ。」と言う。

たまにわざとラフにしてみると確かに怒っている人がいる。しかも多くの人が怒っているーー

時には外部の声がトレーニングをしないで、と言う。

ーーこの顔は彼のものだが、無数の人が見ていて無数の人が要求をする。

ーーこの顔、鏡の中の顔、肖戦はそれを見て思う時がある。

それは自分のものでもあり、他人のもののようでもある、と。


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見た目がいいと思われているがこれは役者としてのキャリアの足かせになるのではないだろうか。

一度だけではなく、こう聞いてくる人がいた。

見た目がいいスターにとってこれは共通するジレンマかもしれない。

彼にもそう思うことがあっただろう。

しかしどうすることもできない。

すべては脚本を見て、ストーリーを見て、役の必要性を見なければならない。

現代ドラマで若者を演じていたら、わざと醜いふりをしても間違っていると思う。

もしストーリーに価値があり彼がこの顔を変える必要があれば、役のために変える情熱と意志が十分にある。

この顔は彼を助けることができるが、時には自分がもっと差し出さなければならないことも知っている。


今もっと重要なのはバランスを見つけることかもしれないと思っている。

彼のことを好きな人はずっと残る人もいれば離れる人もいる。

彼はただ一歩一歩前進していくだけだ。

まるで幼い頃山に登ったように。そしてそれが肖戦の顔をまた変えて続けてゆく。


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脚本を見るとき、肖戦はいつもちょっとした工夫を加える。

もし彼が今観客で第三者の角度に立ってみて、この物語、この脚本が自分を動かすことができるかどうか、自分がこの役と感情を共有できるかどうか。

彼は現場で彷徨う魂となってただ立って台詞を覚えるだけになるのを恐れている。

むなしく台詞を読むのは意味がないと知っている。

感情的な時代劇の中で、当時彼はいつもどのように話すべきかを研究していて、視聴者に共感してもらえるようにした。

最高の授業はもちろんより良い俳優と芝居をすることだ。

彼は観客にベテラン俳優に及ばないと言われることを恐れない。

彼がもっと気になるのは自分が演技において進歩したかどうか、新しいことを学んだかどうかだ。


演技を始めたばかりの時は監督に言われたとおりに演じた。

しかし今でもレンズの中の自分のどの表情や動作が「良い」のか分からない。

彼は本当に基準がどこにあるのか分からないし、誰もそれを教えてくれはしない。

どの表情が「正しい」のか。役者の顔、映画の顔、モデルの顔、アイドルの顔と言った謎めいた言葉の違いは一体なんなのだろう?

彼の判断の基準はシンプルだ。

画面そのものだけを見て、画面の中のその顔が自分を動かすことができるかどうかということだけだ。


今、新しい作品に入る度に肖戦は夢を見る。

監督が彼を探してそのシーンをどう演じるべきか伝えるという夢をよく見る。

「でも台詞さえ覚えられないんですよ。」

夢の中でうろたえて突然目が覚める。

眠れなくなり、起きて机の前に来て、ペンを持って台本にマークして、わからないところを探し台詞を覚え続ける。


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ストレスを和らげる方法にランニングがある。

しかし今は常に誰かがついてくるので気軽にできない。

2016年、デビューしたばかりの頃は月亮河に住んでいた。

いつも家の隣にあった小川に沿って走って景色を写真に収めた。

その後、浙江省象山でドラマ撮影があり、毎晩夜の撮影がない限りランニングに行った。

その夏はとても暑くて、象山は遠く離れた広々としていて、広大な田畑があり(数年後に象山に行くと以前とは違い完全ににぎやかな光景になっていた)、農村には麦畑があって、田んぼがあって、とても美しかった。

暗くなってから舗装された道路を田畑に沿って走った。

道路にはよく大きな車が走ってきた。

安全のために携帯電話のフラッシュをオンにして、行き交う車に明かりを見せて気づいてもらうようにした。

一人で走ったり他の俳優と一緒に走ったりした。

しばらく走ると体がびしょびしょになったが、暑いのも涼しいのも気持ちがよかった。

時には走っていて雨が降ってきた。ーー肖戦はこの時は肖戦で、自分は完全に自分のものだと思った。


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5.自分がなりたいと思う人と他人が作った私という人との間の亀裂が私だ

デビュー以来、最初に演じたドラマから今まで、肖戦のすべての役はどれも被っていない。

毎回新しい脚本を受け取るたびに彼もチームも本当にこの役を受けるべきかどうかを問う。

本当にオファーを受けるのかと。

選別を繰り返し、吟味を繰り返す。

それぞれの役に新たな進歩があり、それぞれの役も肖戦自身とは異なることを望んでいる。


彼自身はどう思っているのだろう。

簡単な答えは一つもないようだ。

撮影、広告、公開活動もあるがそれ以外は肖戦はほとんど一人でいる。

現場ではコウモリが洞窟に戻ったように彼はホテルの部屋に入ってできるだけ出てこない。

普段彼は家にいる。

もちろん仕事の時に迎えに行く運転手を除いて、どこに住んでいるのか知っている人はあまりいない。

これは習慣のようで、本能のようなものだ。

 

別の仕事に変えても自分がカフェやバーに座るのが好きではないと推測している。

以前から人の多いところには行かなかったが、今の仕事は驚くほど彼に適している。

仕事が終われば一人でドラマを見たり、ゲームをしたり、腕立て伏せをしたり、一人で考えたりすることができる。

一人でいるときに考えたいことはたくさんある。

もちろん分からないこともある。ーー肖戦の解決方法はずっと考え続けないことだ。

問題は自分で解決しなければならないのでほとんど自分からは言わない。

相談はさらに彼から遠い言葉だ。

友達は彼にストレスがあれば他の人に言って、話して、発散しなければならないと言った。

しかし彼は賛成しなかった。

解決できる問題は自分で考えられるし、解決できないことは口に出しても悩みが増えるだけだ。

むしろ新しいことをしたほうがましだ。これは経験だろう。

人は常に問題に遭遇するので新しい問題に遭遇すると古い問題を忘れてしまう。


その時答えはまた明らかになる。

これは前の問題がそんなに重要ではないことを示している。

それらの重要な問題は忘れられても、夜が更けて静かになったときに、大波が打ち寄せて迷走した船のようにまた浮かんでくることがある。

その時は肖戦は仕方がないと感じる。

百人に話したとしても問題はまだそこにあり解決されず、深夜にまた戻ってくる。

 

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大学時代からこうだった。

問題打ち明けたり共有しないので、かえって安心感のある存在になる。

友達に捕まえられて打ち明けられる。

彼の役は生きている木の穴だ。

しかし友人を助けるためにいつも聞いて、聞いた後はすぐに忘れる。

一方で話に出くわしたらまず「僕に関係ある?関係ないなら言わないで、聞きたくないから。」と聞く。

彼は秘密を守るのは難しいと思っているので、できるだけ人のプライバシーは聞きたくない――耳を傾けるのはリスクがあり、秘密が明るみになれば自分が容疑者の一人になる――容疑者にはなりたくない。

さらに「それは僕が言ったことではありません。誰にも言っていない。僕は裏切っていません。」と友人に自分の誠実さを証明したくはなかった。

それはあまりにもとんでもない、と思った。


今は一人でいる時間が少ない。

贅沢な時で連続して3日間。

そういった時はスタッフとできるだけ連絡を取り合わず、それぞれ忙しくして空間を空けて、彼を自分の小さな宇宙に帰らせるーーこれは最初は習慣で、後に暗黙の了解になったが、今は事実となっている。


たまに仕事上でトラブルがあれば肖戦は体からいつでもエネルギーを出して、物事をしっかりコントロールすることができるようだ。

一度イベントでめったにないよくない間違いがあって、もうステージに上がるべきなのに彼らはまだ移動の途中だった。

車を降りて肖戦は会場に向かって走り、司会者は臨機応変に一言ずつ時間を稼いでいた。

登壇して肖戦は自分の心臓がまだドキドキしていたが、まずそれを押さえてそれからスピーチをした。

しかし誰もが隙を見つけられなかった。

彼はコントロールがしっかりしていて、落ち着いていた。

これまでの何度かと同じように、スタッフは彼が本当に小さな宇宙を持っていると確信した。


「もう逃亡するよ」

少し疲れていたり、ストレスを解消しようとしたりする時、彼はこう冗談を言う。

ただの冗談ではあるが表情はまじめだ。

逃亡して何をする?

花屋やギャラリーを開くかもしれない、と彼は言った。

どこに行ってもいいーーとにかく一人でいられればーー

子供の頃の工場地区、大田湾の展望台、あるいは解放碑に向かうバスの中。

開けられないドアのある5階に戻ったり、デザインの職業に戻ったりすることもできる。

さらに走り続ければ、幼い頃の山に登れるかもしれない。

かつてはあんなに遠くあんなに高かったのに、時間が経つにつれて山はもう遠くもなくそんなに高くもなくなった。

多くの人は彼が肖戦と呼ばれていることを知っているが、その山には依然として名前がない。

しかし、本当に逃そうとしても彼はそうしないかもしれない。

そこにいる。

今は最適な位置にいるーー自分がなりたい自分と人の期待する自分との間。

その亀裂の中で、前に進み続けてゆく。


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インタビューの中に出てきた、工作室さんが小さな宇宙を確信したスピーチのエピソードはこちららしいです。

(2023年11月29日 微博视界大会)

Twitterをお借りします🙏

 

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4/8 追記

Xiao Zhan Japan Fanclub様が素晴らしい日本語訳をつけてくれました😭

ありがとうございます!!

追記終わります。

 

あれから3年経ち、真っ直ぐに向き合い再び柔らかな心の中をシェアしてくれました。

ますます透き通って強く、しなやかで、ブレず、温かい。

そしてひとりの時間を好む☺️

最後まで読んだ時なんだか泣けてきてしまいましたが、肖战さんのインタビューやっぱり大好きです♥️

 

拙いメモをお読みくださりありがとうございました🫶🏻💕